消費税の簡易課税の適用を検討しよう

消費税は少し前までは5%でしたが、現在は8%(平成26年4月1日より)、そして近い将来10%になる可能性があります。消費税を最終的に負担するのは最終消費者であり、事業者は一時的に預かっているものを納付するだけなのですが、できれば少しでも納付額を少なくしたいものです。

課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことができる簡易課税制度

その手法の一つが簡易課税です(基準期間の課税売上5000万円以下の場合選択可能)。小規模の事業者の事務負担を軽減するために設けられた制度で、実際の課税仕入れ等の税額を計算することなく、課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことができる簡易課税制度の適用を受けることができます。
この制度は、仕入控除税額を課税売上高に対する税額の一定割合とするというものです。この一定割合をみなし仕入率といい、売上げを卸売業、小売業、製造業等、サービス業等及びその他の事業の5つに区分し、それぞれの区分ごとのみなし仕入率を適用します。

【みなし仕入率】

  • 第一種事業(卸売業) … 90%
  • 第二種事業(小売業) … 80%
  • 第三種事業(製造業等) … 70%
  • 第四種事業(その他の事業) … 60%
  • 第五種事業(金融業、保険業、サービス業等) … 50%
  • 第六種事業(不動産業) … 40%

※平成27年4月1日より上記の率となります。

節税効果をシミュレーションしてみましょう

上記のみなし仕入れ率により計算した仕入税額控除額と実際の課税仕入れの仕入税額控除額とに差異が大きい場合で前者の金額が大きい時は簡易課税を選択することで納付すべき消費税額を節税することができます。

例えば、課税売上高30,000千円、費用合計20,000千円(うち、人件費15,000千円、その他経費5,000千円)のサービス業の場合について考えてみます。
なお、人件費には消費税が課税されないこととなっています。

[A.原則課税]

  • ■売上に対する消費税 30,000千円×8%=2,400千円 ……(1)
  • ■仕入等に対する消費税 5,000千円×8%=400千円 ……(2)

納税額 (1)−(2) 2,000千円

[B.簡易課税]

  • ■売上に対する消費税 30,000千円×8%=2,400千円 ……(1)
  • ■仕入等に対する消費税 30,000千円×8%×50%=1,200千円 ……(2)

納税額 (1)−(2) 1,200千円

上記より、原則課税と簡易課税での納税額の差額は800千円となり、800千円の節税効果を有すると考えられます。

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